バレーボール選手の肩の痛み
当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
三郷スポーツ整体院Reve院長の恩田です。
先日、ご来院いただいた海外のプロリーグに所属するバレーボール選手。
約1年前から肩の痛みが出始め、始めはMRIで中の筋肉に損傷があると言われ(おそらく腱板損傷でしょうか・・・)、
PRP注射なども行い、痛みは軽減傾向にあるが、バレーボールをすると痛みが出るとのこと。
海外・日本ともにMRIを撮影したそうですが、今は画像上の問題はないと診断だったそうです。

日常生活などは特に問題はありませんが、バレーボールでスパイクを打つときに痛みが出てしまうため、どうしても力が抜けてしまいます。
可動域を確認すると、肩の水平屈曲と90°外側に開いた状態での内旋という動きに著明な制限がありました。

※反対の肩まで手が伸びない

※右手が下に下がらない
また可動域の最後の所で痛みも伴う状態でした。
その他にも動きを確認していくとインピンジメントテストという痛みを確認するテストで痛みを有していたため、おそらく『インピンジメント症候群』であろうと判断。
肩の動きに伴う痛みは立っている姿勢だけでなく、仰向けで寝ている姿勢でも制限があったため、まずは仰向けで可動域が出るように施術開始。
肩の後方や、前側の烏口突起という骨に着く靱帯や筋肉などの軟部組織にも硬さがありましたが、仰向けでの水平屈曲の動きは痛み無く、動作が可能になりました。
ただ痛みを完全に取るには肩甲骨の可動性と安定性を出していかないといけません。
肩甲骨は肋骨上で周りの筋肉に支えられており、可動性を出すのは周りの筋肉の硬さを取ってあげるだけで十分です。しかし、安定性を出すことや、肩や腕の動きに合わせて肩甲骨を最適なポジションに持っていく『セッティング』という動きが出ないと、すぐにまた痛みを出してしまいます。
また肩の痛みが出る前から肩甲骨自体の可動性は出にくかったでしょうから、反対側の肋骨などの動きも出にくくなり、スパイクを打つような肩を挙げて身体を反らすような動きで腰の痛みも出やすくなります。現に左側の腰痛もあるとのことでした。
本来であれば、肩関節自体の可動域を改善させた状態で肩甲骨の可動性と『セッティング』を行うための筋肉の働きをよくする運動などを指導して継続的にアプローチを行えれば良かったですが、すぐに海外に戻らないといけないため、向こうでも続けられる肩甲骨や肋骨周りのストレッチを指導して様子を見ることにしました。
あとは向こうのチームトレーナーさんに任せるしかないですが、向こうでやっていた内容を聞いているとちょっと不安。。。
『インピンジメント症候群』は正式な診断名では無く、症状を表す言葉なので、向こうのトレーナーの形にも分かるよう英語表記で紙にメモをして、お渡ししました。出来れば、次の帰国の時には痛みが無くなっていてほしいと祈るばかりです・・・。
今回のように画像上では問題は無くても、『関節運動障害』という関節の動きの軸がズレたり、関節運動が正常の軌道から逸脱した動きであったり、関節内で引っかかるような動きが繰り返されることで生じる痛みも存在します。
このような痛みは改善までに時間がかかる場合もありますが、施術側と本人の頑張り次第で改善する可能性もありますので、同じような症状でお悩みの方はぜひ当院へご相談ください!
今回もブログをお読みいただきありがとうございました。