投球時の肩後方の痛み(高校野球選手)

当院のブログをご覧いただきありがとうございます。

三郷スポーツ整体院Reve院長の恩田です。

今回は『投球(送球)のリリース時に生じる肩後方の痛みを訴える高校野球選手』について

小中学生では比較的肘の痛みを訴えるケースが多いですが、高校生ぐらいになると肩の痛みを訴えるケースが増えてきます。

ポジションが内野手で、送球時に毎回リリースのタイミングで痛みが生じるというのはかなりプレーに影響が出てきます。痛みを我慢してプレーをしているとフォームが崩れてきますし、だんだんとリリースのタイミングがわからなくなりイップスのような症状が出てくることもあります。

私も高校まで野球をやっていましたが、高校時代に肩を痛めてしまい、高校1年の時よりも遠投距離が短くなり、思うようにプレーが出来ないツラさを味わいました。これはかなりキツいです。好きで始めた野球がだんだん面白くなくなってくるのです。今まで出来ていたことが出来ないのってしんどいですよね。

よく「スポーツをしていればケガは当たり前」と言いますよね。たしかにより上手くなろうと思えば練習しますし、ある程度身体に負荷をかけなければ成長はしません。ただ、ケガを予防する努力は必要になります。予防をしながらパフォーマンスを高める方法もあるのです。

さて、話が逸れたので本題に戻しましょう。

痛みが出ている動きを確認するために、DriveLineで使用するプライオボールを用いて送球時の痛みを確認しました。するとテイクバック後の最大外旋位からリリースのタイミングで生じる肩内旋運動で痛みが生じていました。

念のため、棘上筋テスト/棘下筋テスト/Full can test/Empty can test/インピンジメントテストなどの痛みの確認を行い、痛みが出ていないことを確認。痛みの出方によっては整形外科などの医療機関の受診を勧めないといけないので、この辺はしっかりチェックを行います。

医療機関の受診を勧める状態では無かったですが、関節運動障害を認めたため、アプローチ開始。

まずは肩甲骨周囲の柔軟性や肩後方組織の緊張状態や柔軟性を確認した後、肘を伸ばす動作で働く上腕三頭筋の問題を確認。

肘を伸ばす際に働く上腕三頭筋は長頭・外側頭・内側頭に分かれますが、そのうち上腕三頭筋の外側頭の収縮が優位になっていました。肘を伸ばす動きに肩の外旋運動(外に捻る動き)が入りやすくなっており、そこと関連する前腕部の筋肉の硬さも影響していました。

この上腕三頭筋の収縮の仕方によって、肩に生じる負担のかかり方も変わってきます。

細かい説明はブログ内では難しいですが、投球時に生じる肘を伸ばす動きの中に本来生じるはずがない肩の回旋運動が生じると、それを制御しようとしたり、別の場所で代償しようとしたり、本来の動きと違う働きをする筋肉や関節運動が出てきてしまいます。

※ちょっとわかりにくい説明で申し訳ありません。

要するに・・・

筋肉の働きやすい場所と働きにくい場所が出てきた影響で、肩に負担がかかってしまったということです。

そのため、今回は上腕三頭筋の外側頭という外側の筋肉は、なるべく緊張や過収縮が入らないようにセルフケアを指導し、同じ上腕三頭筋の内側頭の収縮を促す運動を指導しました。

施術後の肩の可動域や動きを維持するためには、その動きを安定させるための筋肉の働きを正常化する必要があります。

同じ名前の筋肉でも力の入れ方で働く筋肉の線維が変わってくる訳ですから、〇〇筋を鍛えるトレーニングも、やり方によっては効果が変わってくることになります。

この辺りを意識してトレーニングを行わないと、ケガの予防やパフォーマンスアップにはなかなか繋がってこないので注意が必要ですね。

それでは今回はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました。

Follow me!