スクワットの目的は合ってますか?(パーソナルトレーニング)
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三郷スポーツ整体院Reve代表の恩田です。
先日、両側の人工股関節置換術をした方のパーソナルトレーニングを行いました。
目的はトレッキングで4~5時間耐えられる筋力と体力を付けたいとのことでした。
初めてのパーソナルトレーニングのため、まずは目標を確認してから姿勢や歩き方・動きなどを確認します。
トレッキングが目標となると下半身を中心にトレーニングしたくなりますが、その前に気になるのが上半身の左右差です。
右肩が下がり、反対に左肩は少し上がり、前に突き出た位置にあります。上半身の重心点は少し左に逸れ、左下肢に荷重がかかったときに顕著に左側の骨盤が前に出て、左膝は内向きに入り、膝の前面や内側などに痛みが生じる可能性が高くなります。現に、この方も長く歩いたときや階段などで左膝の痛みが出るとのことでした。
このように座った姿勢や立った姿勢を比べた時に上半身での左右差があると、思うように下半身のトレーニングに活きてこない場合があります。
細かい説明を文章で説明するのは難しいですが、骨盤よりも上部が左右に偏っていたら、同じようにスクワットをしても左右均等に筋力を鍛えることは難しくなります。それ以上に、片方に負担を強いることになり、結果的にトレーニングの効果を出せない可能性も出てきます。
そのため、トレーニング始める前に何種類かの運動を試しながら、どの運動であれば体幹部の左右差を改善できそうか判断していきました。5~10分程度でしょうか、いくつかの運動を繰り返した後に鏡の前で姿勢を確認すると、上半身の左右差はほぼ改善しました。
ここから、下半身のトレーニングを始めていきます。
まずは一般的なトレーニングとして有名なスクワットを確認します。
よくスクワットのやり方で指導されるのは「膝が前に出ないように!!」っていうのが有名ですね。
こんな感じのスクワットは膝などに負担がかかるのでやめましょう!!ということですね。
このスクワットでは身体が十分に前傾していないため股関節の曲がる動きが少なくなっています。その代わり、膝や足首が過度に動いています。
膝が前に出すぎることで膝のお皿の関節に加わる圧力が高まります。また、足首も過度に曲がった状態では本来の可動域を超えてしまい、膝を内側に寄せるようにしてしまい、さらに膝への負担を増やすことに繋がってしまいます。
そこで、膝を前に出さないようスクワットしましょう!!というのが、よく指導されて一般的になっています。テレビなどでもトレーナーの方が言っているので、皆さんもよくご存じかと思います。
お尻などの股関節を中心とした筋力を鍛え、筋肥大を図るには必要なトレーニングですね!
ただ、トレーニングにはあくまで目的があり、その目的のために必要な内容のトレーニングを行います。
さて、このやり方は人工股関節置換術後の方のトレーニングに適しているのでしょうか??
一見良さそうなスクワットですが、トレーナーの方たちが言っているスクワットとは少し違います。
言葉だけが先行すると、膝は極力前に出ない方が良いというイメージにも繋がり、写真のように重心がかかと寄りに乗ってしまいます。その影響で爪先が浮き、足の指が全く使えなくなってしまいます。
また、人工股関節も最近では可動域が以前よりも広がってきていますが、手術時に設定された可動域を超えることは出来ません。そのため、股関節で動ききれない分を膝や体幹部で代償してしまい、フォームが崩れやすくなってしまいます。
そして、このスクワットは日常生活・スポーツの動きを改善させる上ではあまり適していません。まず日常生活でこんな姿勢とること稀ですし、スポーツでもこのぐらい前傾姿勢になるときは脚がもっと開いた状態になります。サッカーやバスケのディフェンスや野球の守備、バレーのレシーブ姿勢などなど。
では、どのようなスクワットが良いのか???
それは体幹とスネの傾きが平行になるスクワットです。
この写真のように体幹とスネの傾きが平行になるようにスクワットを行うことで、重心は足の裏全体に加わり、先ほどのスクワットのように指先が使えないということはありません。
このスクワットでは股関節・膝関節・足関節がそれぞれ均等に動いてくるため、それだけで荷重時の関節に加わる負荷は分散されます。
このスクワットの仕方であれば今回トレーニングを行った人工股関節置換術後の方でも負担なく、下肢のトレーニングが可能になります。
ちなみに前から見たときに膝の向きと足の人差し指(第2趾)が同じ方向を向くように意識しましょう。足の中心は手と違い、第2趾になりますので。
このスクワットを指導すると大抵、「膝が前に出ても良いの?」と聞かれます。
そうなんです、出ても良いんです!出過ぎなければ!!
あくまで足や膝・股関節、体幹(上半身)の重心位置によって変わりますが、身体を動かす時に体幹の軸とスネの軸を平行にする意識で動くことでより速い切り返し動作やスタートを切る動きに繋がります。
日常生活においても段差の上り下りでの負担軽減にも繋がります。
トレッキングを4~5時間やるには、もちろんこのスクワットだけでは足りませんが、トレーニングを始める前提条件として、身体の使い方と自分自身の脳での動作イメージを合わせていかないと短期間で効率的なトレーニングを行うことは難しいのです。
タイトルにも書きましたが「スクワットの目的は合ってますか?」というのは根本に「トレーニングの目的がその人や目標に合っていますか?」という意味に繋がります。
当院は通常の整体院とは少し異なり、痛みを和らげるだけでなく、「より健康に」「より効率よく」をモットーに各種プランを提供いたします。
パーソナルトレーニングでは、クライアントの求めている目標に対して何が必要かを見極め、最適なトレーニングを提案いたします。
トレーニングに関してはお得な回数券もございます。気になる方は下記のボタンからご連絡・ご予約をお願いいたします。
年明けには少人数制での歩き方講座や、ストレッチ講座、体操講座なども実施していこうと考えています!
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